Microsoft 365 セキュリティで何ができる?中小企業がまず設定すべき7つの対策

Microsoft 365を使っているけれど、セキュリティ対策として何ができるのか分からないと感じていませんか?多要素認証、迷惑メール対策、フィッシング対策、情報もれ対策など、Microsoft 365には中小企業でも活用しやすい機能が用意されています。この記事では、Microsoft 365 セキュリティで何ができるのかをわかりやすく整理し、まず設定すべき7つの対策を解説します。


この記事でわかること

  • Microsoft 365 セキュリティで何ができるのか
  • 中小企業がまず設定すべき7つの対策
  • 多要素認証がなぜ重要なのか
  • フィッシングメールや情報もれを防ぐ考え方
  • IT専任者がいない会社が最初に確認すべきポイント

Microsoft 365 セキュリティで何ができる?まず知っておきたい全体像

Microsoft 365には、会社のメール、ファイル、アカウント、社内データを守るためのセキュリティ機能が用意されています。たとえば、ログイン時に本人確認を強化する多要素認証、あやしいメールを見つける迷惑メール対策、危険なリンクや添付ファイルから社員を守る機能、社外への情報もれを防ぐための共有管理などがあります。

ただし、Microsoft 365を契約しているだけで、すべてのセキュリティ対策が自動的に完了するわけではありません。大切なのは、自社の使い方に合わせて必要な設定を行い、社員が安全に使える状態に整えることです。設定が不十分なままだと、せっかくMicrosoft 365を導入していても、パスワード流出やフィッシングメール、社外共有による情報もれなどのリスクが残ってしまいます。

Microsoft 365は使うだけで安全になるわけではない

Microsoft 365は、セキュリティ機能が豊富なクラウドサービスです。しかし、「使っているから安全」と考えるのは少し危険です。たとえば、多要素認証を有効にしていなければ、パスワードが盗まれたときに第三者がログインできる可能性があります。また、OneDriveやSharePointの共有設定がゆるいままだと、意図せず社外の人にファイルを見られてしまうこともあります。

つまり、Microsoft 365のセキュリティは、導入しただけで完成するものではなく、設定してはじめて効果を発揮するものです。特に中小企業では、IT専任者がいないまま利用していることも多いため、最初に基本設定を確認することが重要です。

セキュリティ機能は「設定」と「運用」で効果が変わる

Microsoft 365のセキュリティを高めるには、機能を有効にするだけでなく、日々の運用も大切です。たとえば、多要素認証を設定しても、社員が認証アプリの使い方を理解していなければ、ログインできないという問い合わせが増えるかもしれません。メールのセキュリティを強化した場合も、必要なメールが迷惑メールに入ることがあるため、確認方法を社内で共有しておく必要があります。

セキュリティ対策は、強くすればするほどよいというものではありません。会社の業務が止まらないようにしながら、危険な使い方を減らすことが大切です。そのためには、設定内容と社内ルールをあわせて考える必要があります。

中小企業でも活用しやすい基本機能がそろっている

Microsoft 365のセキュリティ機能は、大企業だけのものではありません。中小企業でも、多要素認証、迷惑メール対策、共有設定の見直し、管理者アカウントの保護など、すぐに取り組める対策があります。

特に、アカウント乗っ取りやフィッシングメールは、会社の規模に関係なく起こるリスクです。大きなシステム投資をしなくても、今使っているMicrosoft 365の設定を見直すだけで、防げるリスクはたくさんあります。まずは「Microsoft 365で何ができるのか」を知り、自社で優先して取り組むべき対策を整理することが第一歩です。

Microsoft 365の設定状況を一度確認しませんか?

「多要素認証が有効か分からない」「外部共有が安全か不安」という場合は、まず現在の設定状況を確認することが大切です。大きな変更をする前に、リスクのある箇所を把握しましょう。

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中小企業がまず設定すべきMicrosoft 365 セキュリティ7つの対策

Microsoft 365のセキュリティ対策は、すべてを一度に完璧にしようとすると大変です。特に中小企業では、IT専任者がいない、日常業務と兼任している、設定を変えたときの影響が不安、というケースも多いはずです。

そのため、まずは被害が大きくなりやすいところから順番に対策することが大切です。Microsoft 365で最初に確認したいのは、アカウント、メール、ファイル共有、管理者権限の4つです。この4つは、会社の情報を守るうえで特に重要な部分です。

1. 多要素認証でアカウント乗っ取りを防ぐ

最初に設定したいのが、多要素認証です。多要素認証とは、パスワードだけでなく、スマートフォンアプリや確認コードなどを使って本人確認を行う仕組みです。

たとえば、社員のパスワードが外部にもれてしまった場合でも、多要素認証が有効になっていれば、第三者は簡単にログインできません。パスワードに加えて、本人が持っているスマートフォンなどで確認が必要になるためです。

Microsoft 365では、Outlook、Teams、OneDrive、SharePointなど、会社の重要な情報にアクセスできます。そのため、アカウントを乗っ取られると、メールの内容を見られたり、取引先になりすましたメールを送られたりする危険があります。中小企業でも、まず多要素認証を有効にしましょう。

2. 迷惑メール・フィッシングメール対策を強化する

次に確認したいのが、メールのセキュリティ対策です。会社に届くメールの中には、迷惑メールだけでなく、偽のログイン画面へ誘導するフィッシングメールや、取引先を装ったなりすましメールが含まれることがあります。

Microsoft 365では、迷惑メールを振り分けたり、あやしいメールを検知したりする機能があります。ただし、設定が十分でないと、本来止められるはずの危険なメールが社員の受信トレイに届いてしまう場合があります。

特に、請求書、注文書、パスワード変更、アカウント確認などを装ったメールには注意が必要です。社員が見た目だけで判断してしまうと、偽サイトにパスワードを入力してしまう可能性があります。メール対策は、設定だけでなく、社員への注意喚起とあわせて進めることが大切です。

3. 添付ファイルやURLの安全性を確認する

メールに添付されたファイルや本文内のURLも、セキュリティ上の大きなリスクになります。WordやExcel、PDFに見せかけた危険なファイルや、正規サイトに似せた偽サイトへのリンクが送られてくることがあるためです。

Microsoft 365のセキュリティ機能を活用すると、危険な添付ファイルやURLへの対策を強化できます。社員がうっかりクリックしてしまっても、危険なページへのアクセスを防いだり、あやしいファイルを開く前に検査したりできる場合があります。

ただし、どこまで保護できるかは契約プランや設定内容によって変わります。そのため、自社のMicrosoft 365でどの機能が使えるのかを確認しておくことが必要です。特にメール経由の攻撃が不安な会社では、添付ファイルとURLの保護を優先して見直しましょう。

4. 条件付きアクセスで危険なログインを制限する

条件付きアクセスとは、「どのような条件のときにログインを許可するか」を決める仕組みです。たとえば、普段使っていない国や地域からのログイン、会社が認めていない端末からのアクセス、リスクが高いと判断されたログインなどを制限できます。

すべてのログインを同じように許可していると、パスワードがもれたときに不正アクセスされる危険が高くなります。条件付きアクセスを使うことで、危険なログインだけを制限し、通常の業務はできるだけ止めずに安全性を高められます。

ただし、条件付きアクセスは設定をまちがえると、社員がログインできなくなることもあります。導入するときは、いきなり全社員に厳しい制限をかけるのではなく、管理者アカウントや一部のユーザーから段階的に確認することが安全です。

5. OneDrive・SharePointの共有設定を見直す

Microsoft 365では、OneDriveやSharePointを使ってファイルを共有できます。とても便利な機能ですが、共有設定がゆるいままだと、意図しない相手に社内ファイルが見られてしまうリスクがあります。

たとえば、「リンクを知っている全員が閲覧できる」設定になっていると、そのリンクが転送された場合に、社外の人でもアクセスできる可能性があります。また、退職者や外部協力先に共有したファイルが、そのまま残っていることもあります。

中小企業では、ファイル共有のルールがあいまいなまま運用されていることがあります。Microsoft 365のセキュリティ対策として、誰が、どのファイルに、どの権限でアクセスできるのかを定期的に確認することが重要です。

6. データ損失防止で情報もれを防ぐ

データ損失防止は、会社の重要な情報が外部にもれることを防ぐための機能です。たとえば、個人情報、取引先情報、契約情報、機密資料などを、誤って社外に送信したり共有したりするリスクを減らせます。

メールやファイル共有は便利ですが、使い方をまちがえると情報もれにつながります。社員が悪意なく送ったメールでも、宛先をまちがえたり、添付ファイルを取り違えたりすれば大きな問題になることがあります。

Microsoft 365のデータ損失防止機能を活用すると、特定の情報を含むメールやファイルの送信・共有を制御できます。ただし、設定には自社で守りたい情報の整理が必要です。どの情報を機密情報として扱うのか、どの部署に制限が必要なのかを考えたうえで設定することが大切です。

7. 管理者アカウントを厳重に保護する

最後に重要なのが、管理者アカウントの保護です。管理者アカウントは、Microsoft 365全体の設定を変更できる強い権限を持っています。そのため、一般社員のアカウント以上に厳重な管理が必要です。

もし管理者アカウントが乗っ取られると、メール設定を変更されたり、ユーザーを追加されたり、会社のデータに広くアクセスされたりする危険があります。被害が大きくなりやすいため、管理者アカウントには必ず多要素認証を設定し、必要以上に管理者権限を持つ人を増やさないようにしましょう。

また、普段のメール利用と管理作業を同じアカウントで行っている場合も注意が必要です。できれば、通常業務用のアカウントと管理作業用のアカウントを分け、管理者権限を使う場面を限定することが望ましいです。中小企業では見落とされやすい部分ですが、会社全体を守るために必ず確認しておきたい対策です。


Microsoft 365の多要素認証はなぜ重要なのか

Microsoft 365のセキュリティ対策で、最初に考えたいのが多要素認証です。多要素認証とは、ログインするときにパスワードだけでなく、スマートフォンアプリや確認コードなど、別の方法でも本人確認を行う仕組みです。

会社でMicrosoft 365を使っている場合、メール、Teams、OneDrive、SharePointなど、さまざまな情報がひとつのアカウントにひもづいています。つまり、そのアカウントが第三者に使われてしまうと、会社のメールを見られたり、社内ファイルにアクセスされたり、取引先になりすましたメールを送られたりするおそれがあります。

特に中小企業では、「うちは大企業ではないから狙われない」と考えてしまうことがあります。しかし、攻撃する側は会社の規模だけを見ているわけではありません。パスワードが使い回されていたり、古いメール環境をそのまま使っていたり、セキュリティ設定が弱かったりする会社は、規模に関係なく攻撃対象になります。

多要素認証を有効にしておくことで、万が一パスワードが外部にもれても、それだけではログインできない状態を作れます。これは、Microsoft 365を安全に使うための基本的な対策です。

パスワードだけでは不正アクセスを防ぎきれない

これまで多くのシステムでは、IDとパスワードだけでログインする方法が一般的でした。しかし現在は、パスワードだけで会社の情報を守るのはむずかしくなっています。

理由のひとつは、パスワードがさまざまな方法で盗まれる可能性があるからです。たとえば、偽のログイン画面に入力してしまうフィッシング攻撃、別のサービスから流出したパスワードの悪用、単純なパスワードの推測などがあります。

社員が悪意を持っていなくても、日々たくさんのメールを処理している中で、あやしいメールを本物だと思ってしまうことはあります。Microsoft 365のログイン画面に似せた偽サイトへ誘導され、そこでパスワードを入力してしまうと、その情報をもとに攻撃者がログインを試みる可能性があります。

このとき、多要素認証が有効であれば、パスワードを知られても追加の本人確認が必要になります。つまり、最後の守りとして機能します。パスワードを強くするだけでなく、パスワードがもれた場合に備えることが大切です。

多要素認証で使われる3つの認証要素

多要素認証では、複数の種類の本人確認を組み合わせます。代表的なものは、知識情報、所持情報、生体情報の3つです。

知識情報:パスワードやPIN

知識情報とは、本人だけが知っている情報のことです。代表的なものがパスワードやPINです。

Microsoft 365にログインするとき、まずはメールアドレスとパスワードを入力します。これは基本となる本人確認です。ただし、パスワードは他人に知られてしまう可能性があります。覚えやすいパスワードにしていたり、複数のサービスで同じパスワードを使い回していたりすると、リスクは高くなります。

そのため、知識情報だけに頼るのではなく、別の認証方法と組み合わせることが重要です。

所持情報:スマートフォンや認証アプリ

所持情報とは、本人が持っているものを使った認証です。代表的なものとして、スマートフォン、認証アプリ、SMSで届く確認コードなどがあります。

Microsoft 365では、Microsoft Authenticatorなどの認証アプリを使って本人確認を行うことができます。ログイン時にスマートフォンへ通知が届き、本人が承認することでログインが完了します。

この方法を使えば、パスワードを知っているだけではログインできません。本人のスマートフォンが必要になるため、不正アクセスされにくくなります。

生体情報:指紋認証や顔認証

生体情報とは、本人の体の特徴を使った認証です。指紋認証や顔認証が代表的です。

たとえば、Windows Helloを使うことで、パソコンへのサインイン時に顔認証や指紋認証を利用できます。パスワードを入力する手間が減るだけでなく、本人確認の精度を高めることにもつながります。

生体情報は本人固有のものなので、他人がまねしにくいという特徴があります。ただし、運用する端末や環境によって使える方法が変わるため、自社の利用状況に合わせて検討することが大切です。

フィッシング攻撃に対する防御力を高められる

多要素認証は、フィッシング攻撃への対策としても効果があります。フィッシング攻撃とは、本物そっくりのメールやログイン画面を使って、IDやパスワードを盗もうとする攻撃です。

たとえば、「Microsoft 365のアカウントに問題があります」「メールボックスの容量がいっぱいです」「パスワードを更新してください」といった内容で、偽のログインページへ誘導するメールが届くことがあります。社員がそこにパスワードを入力すると、攻撃者に情報が渡ってしまいます。

しかし、多要素認証を設定していれば、攻撃者がパスワードを手に入れても、追加の認証を突破しなければログインできません。また、身に覚えのないログイン通知がスマートフォンに届いた場合、社員が不正なログイン試行に気づける可能性もあります。

もちろん、多要素認証だけですべての攻撃を防げるわけではありません。社員教育やメール対策も必要です。それでも、パスワードだけの状態に比べると、Microsoft 365の安全性は大きく高まります。中小企業が最初に取り組むべきセキュリティ対策として、多要素認証は非常に重要です。

Microsoft 365で防げる主なセキュリティリスク

Microsoft 365のセキュリティ機能を正しく設定すると、会社で起こりやすいさまざまなリスクを減らせます。特に中小企業で注意したいのは、アカウントの乗っ取り、フィッシングメール、危険な添付ファイル、社外共有による情報もれ、退職者アカウントの放置です。

これらは、どれも特別な大企業だけに起こる問題ではありません。日常的にメールを使い、ファイルを共有し、クラウド上で仕事をしている会社であれば、どの会社にも起こる可能性があります。

Microsoft 365は、こうしたリスクを完全にゼロにするものではありません。しかし、適切な設定を行うことで、被害が起こる確率を下げたり、万が一のときに早く気づいたりしやすくなります。

アカウントの乗っ取り

Microsoft 365で特に注意したいのが、アカウントの乗っ取りです。アカウントを乗っ取られると、第三者が本人になりすましてメールを読んだり、送ったり、OneDriveやSharePoint上のファイルにアクセスしたりするおそれがあります。

たとえば、経理担当者のアカウントが乗っ取られた場合、請求書や振込先に関する情報を見られる可能性があります。営業担当者のアカウントであれば、取引先とのやり取りをのぞかれたり、なりすましメールを送られたりする危険があります。

このようなリスクを下げるためには、多要素認証が有効です。パスワードだけでログインできないようにすることで、攻撃者がパスワードを知っていても、すぐには侵入できない状態を作れます。

また、管理者アカウントは特に厳重な保護が必要です。管理者アカウントが乗っ取られると、会社全体の設定を変更される可能性があるため、一般ユーザー以上に強い対策を行う必要があります。

フィッシングメールやなりすましメール

フィッシングメールとは、本物のサービスや取引先を装って、IDやパスワード、個人情報などを盗もうとするメールです。Microsoft 365を使っている会社にも、「アカウントを確認してください」「メールボックスがいっぱいです」「パスワードを更新してください」といった内容のメールが届くことがあります。

見た目が本物に近いメールも多く、社員がすぐに見分けるのは簡単ではありません。リンク先の画面まで本物そっくりに作られている場合もあります。そのため、社員の注意だけに頼るのは危険です。

Microsoft 365では、迷惑メールやあやしいメールを検出する機能を使って、フィッシングメールのリスクを減らせます。また、多要素認証を設定しておけば、もし社員が偽サイトにパスワードを入力してしまっても、それだけではログインされにくくなります。

なりすましメールにも注意が必要です。取引先や社長を装ったメールで、振込先の変更や急ぎの支払いを求められることがあります。メールセキュリティの設定と社内ルールを組み合わせることで、こうした被害を防ぎやすくなります。

マルウェアや危険な添付ファイル

メールに添付されたファイルから、マルウェアに感染することがあります。マルウェアとは、パソコンやデータに悪い影響を与える不正なプログラムのことです。

たとえば、請求書や見積書、配送通知などに見せかけたファイルが送られてくる場合があります。社員がそれを開いてしまうと、パソコン内の情報を盗まれたり、ファイルを使えない状態にされたりするおそれがあります。

Microsoft 365のセキュリティ機能を使うことで、危険な添付ファイルを検査したり、あやしいファイルをブロックしたりできます。ただし、利用できる保護機能はプランによって変わります。そのため、自社の契約内容でどこまで対応できるかを確認しておくことが大切です。

また、添付ファイルを開く前の社内ルールも必要です。知らない相手から届いたファイル、急に送られてきた圧縮ファイル、内容に違和感があるメールは、すぐに開かず確認する習慣をつけることが安全につながります。

社外共有による情報もれ

OneDriveやSharePointは、社内外のメンバーとファイルを共有できる便利な機能です。しかし、設定をまちがえると情報もれにつながります。

たとえば、社外の協力会社と資料を共有したあと、その共有設定を解除せずに放置してしまうことがあります。また、「リンクを知っている全員がアクセスできる」設定で共有すると、そのリンクが別の人に転送された場合に、意図しない相手がファイルを見られる可能性があります。

特に、見積書、契約書、社員名簿、顧客情報、経営資料などは、共有範囲を慎重に管理する必要があります。便利だからといって自由に共有していると、あとから誰がどのファイルを見られる状態なのか分からなくなることがあります。

Microsoft 365では、共有リンクの種類や外部共有の制限を設定できます。会社として、どこまで社外共有を認めるのか、どの情報は共有してはいけないのかを決めたうえで設定することが重要です。

退職者アカウントの放置リスク

意外と見落とされやすいのが、退職者アカウントの管理です。退職した社員のアカウントが残ったままになっていると、あとから不正利用される危険があります。

退職者アカウントには、過去のメール、Teamsの履歴、OneDriveのファイル、社内システムへのアクセス権限などが残っている場合があります。もしそのアカウントが使える状態のままだと、社内情報にアクセスできてしまう可能性があります。

退職時には、アカウントを無効化するだけでなく、メールの引き継ぎ、OneDriveデータの移管、共有権限の確認なども必要です。特に少人数の会社では、退職処理が口頭や手作業になりやすいため、対応もれが起こりやすくなります。

Microsoft 365を安全に運用するには、入社時だけでなく、退職時のルールも整えておくことが大切です。社員が増えてから慌てて対応するのではなく、早い段階でアカウント管理の流れを決めておくと、情報もれのリスクを減らせます。

まずは「見直すべき箇所」を整理しましょう

Microsoft 365のセキュリティ対策は、すべてを一度に行う必要はありません。まずは多要素認証、管理者アカウント、メール対策、外部共有の4点を確認するだけでも、自社のリスクを把握しやすくなります。

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Microsoft 365 セキュリティを導入・設定するときの注意点

Microsoft 365のセキュリティ機能はとても便利ですが、ただ強く設定すればよいというものではありません。会社の業務内容、社員のITリテラシー、使っている端末、社外からのアクセス状況などによって、最適な設定は変わります。

たとえば、多要素認証を急に全社員へ有効化すると、ログイン方法が分からず業務が止まることがあります。ファイル共有の制限を強くしすぎると、取引先との資料共有がしづらくなる場合もあります。セキュリティ対策は、会社を守るために必要ですが、日常業務を止めないことも同じくらい重要です。

そのため、Microsoft 365のセキュリティ設定は、自社の業務に合わせて段階的に進めることが大切です。

プランによって使える機能が異なる

Microsoft 365のセキュリティ機能は、契約しているプランによって使える範囲が異なります。すべての会社が同じ機能を使えるわけではありません。

たとえば、多要素認証のように多くの環境で利用しやすい機能もあれば、条件付きアクセス、データ損失防止、高度なメール保護など、プランによって利用条件が変わる機能もあります。そのため、「Microsoft 365を使っているから、この機能も当然使えるはず」と思い込むのは危険です。

まずは、自社が契約しているMicrosoft 365のプランを確認し、どのセキュリティ機能が使えるのかを整理することが必要です。使えない機能がある場合でも、すぐに上位プランへ変更する必要があるとは限りません。現在のプランでできる対策を行い、それでも不足する場合に追加機能を検討する流れが現実的です。

設定を強くしすぎると業務に支障が出る場合がある

セキュリティ対策では、「強くするほど安全」と考えがちです。しかし、設定を強くしすぎると、社員が日常業務を進めにくくなることがあります。

たとえば、ログインのたびに何度も認証を求められると、社員の負担が増えます。外出先からのアクセスを厳しく制限しすぎると、営業担当者や在宅勤務の社員が必要な情報を確認できないかもしれません。外部共有をすべて止めると、取引先との資料のやり取りに時間がかかる場合もあります。

セキュリティは、業務を止めるためのものではありません。会社の情報を守りながら、社員が安心して仕事を続けられる状態を作ることが目的です。そのため、いきなり厳しい設定にするのではなく、まずは重要なアカウントや重要なデータから対策を始め、少しずつ範囲を広げるのがおすすめです。

社員への説明と運用ルールが必要になる

Microsoft 365のセキュリティ対策は、管理者が設定するだけでは十分ではありません。実際に使う社員が、なぜその設定が必要なのかを理解していることも大切です。

たとえば、多要素認証を導入する場合、社員には認証アプリの設定方法や、スマートフォンを機種変更したときの対応方法を説明しておく必要があります。メール対策を強化する場合は、あやしいメールを受け取ったときに誰へ報告するのか、リンクを開いてしまったときにどうすればよいのかを決めておくことが重要です。

ファイル共有についても、社外に共有してよい資料と、共有してはいけない資料を明確にする必要があります。ルールがあいまいなままだと、社員ごとに判断が分かれてしまい、結果として情報もれにつながることがあります。

セキュリティ設定と社内ルールは、セットで考えるべきものです。社員にとって分かりやすい説明を用意し、困ったときに確認できる状態を作ることで、Microsoft 365をより安全に使いやすくなります。

定期的な見直しをしないと形だけになる

セキュリティ設定は、一度行えば終わりではありません。会社の人数、働き方、利用するサービス、取引先との共有方法が変われば、必要な設定も変わります。

たとえば、入社や退職が増えると、アカウント管理の見直しが必要になります。テレワークを始めた場合は、社外からのアクセス制御を考えなければなりません。新しくSharePointを使い始めた場合は、ファイル共有のルールを確認する必要があります。

また、サイバー攻撃の手口も変化します。以前は問題なかった設定でも、現在の状況では不十分になっている場合があります。そのため、Microsoft 365のセキュリティ設定は、定期的に見直すことが大切です。

中小企業では、毎月細かく確認するのがむずかしい場合もあります。その場合でも、少なくとも半年に一度、または社員の入退社や働き方の変更があったタイミングで、設定状況を確認することをおすすめします。見直しを続けることで、セキュリティ対策が形だけにならず、実際に会社を守る仕組みとして機能します。

IT専任者がいない中小企業は何から始めるべきか

IT専任者がいない中小企業では、Microsoft 365のセキュリティ対策をどこから始めればよいか迷いやすいです。管理画面には多くの項目があり、多要素認証、条件付きアクセス、メール保護、共有設定、データ損失防止など、見慣れない言葉もたくさん出てきます。

しかし、最初からすべてを理解する必要はありません。まずは、会社に大きな被害を与えやすい部分から順番に確認することが大切です。特に優先したいのは、ログインの安全性、メールの安全性、ファイル共有の安全性、管理者アカウントの安全性です。

この4つを整えるだけでも、アカウント乗っ取りや情報もれのリスクを下げやすくなります。

まずは多要素認証を有効化する

最初に取り組むべき対策は、多要素認証の有効化です。Microsoft 365では、ひとつのアカウントでメール、Teams、OneDrive、SharePointなどにアクセスできます。そのため、アカウントを乗っ取られると、会社の情報を広く見られてしまう危険があります。

多要素認証を設定すると、パスワードだけではログインできなくなります。スマートフォンの認証アプリや確認コードなど、追加の本人確認が必要になるため、不正アクセスを防ぎやすくなります。

導入するときは、まず管理者アカウントから有効化するのがおすすめです。その後、経理、総務、経営者など、重要な情報を扱う人から順番に広げると、業務への影響を見ながら進められます。

社員へは、「手間を増やすためではなく、会社と自分のアカウントを守るための仕組み」と説明すると理解されやすくなります。あわせて、スマートフォンを機種変更したときの対応方法も決めておくと安心です。

メールセキュリティと共有設定を確認する

次に確認したいのが、メールセキュリティとファイル共有の設定です。中小企業では、日常業務の多くがメールとファイル共有で進みます。そのため、この2つの設定が弱いと、フィッシングメールや情報もれのリスクが高まります。

メールでは、迷惑メールやなりすましメールがどのように処理されているかを確認します。社員の受信トレイにあやしいメールがよく届いている場合は、迷惑メール対策やフィッシング対策の設定を見直す必要があります。

また、OneDriveやSharePointでは、社外共有の設定を確認します。特に、「リンクを知っている全員がアクセスできる」共有が許可されている場合は注意が必要です。便利な反面、リンクが外部に転送されると、想定外の人がファイルを見られる可能性があります。

社外共有を完全に禁止する必要はありません。大切なのは、どの資料を、誰に、どの期間だけ共有するのかを決めておくことです。共有リンクには期限をつける、編集権限ではなく閲覧権限にする、重要な資料は外部共有しないなど、会社としてのルールを整えると安全性が高まります。

管理者権限を持つアカウントを整理する

Microsoft 365の管理者アカウントは、会社全体の設定を変更できる強い権限を持っています。そのため、管理者権限を持つ人が多すぎる状態は危険です。

たとえば、以前の担当者や退職者のアカウントに管理者権限が残っていると、不正利用のリスクがあります。また、普段メールを使っている通常アカウントに管理者権限をつけたままにしている場合、そのアカウントが乗っ取られると被害が大きくなります。

まずは、Microsoft 365の管理画面で、誰が管理者権限を持っているかを確認します。必要のない権限は外し、管理者アカウントには必ず多要素認証を設定します。

できれば、日常業務で使うアカウントと、管理作業に使うアカウントは分けることが望ましいです。普段は通常アカウントで仕事を行い、設定変更が必要なときだけ管理者アカウントを使う形にすると、リスクを下げやすくなります。

管理者権限は、「念のため多めに付けておく」ものではありません。必要な人に、必要な範囲だけ与えるという考え方が重要です。

不安な場合は専門会社に設定状況を確認してもらう

Microsoft 365のセキュリティ設定は、自社だけで判断しようとすると不安が残ることがあります。特に、条件付きアクセス、データ損失防止、メールの詳細な保護設定などは、専門的な知識が必要になる場合があります。

そのような場合は、専門会社に現在の設定状況を確認してもらうのも有効です。すぐに大きなシステム変更をするのではなく、まずは現状診断として、どの設定が有効になっているか、どこにリスクがあるかを見てもらうだけでも判断しやすくなります。

外部に相談するときは、「Microsoft 365を安全にしたい」という大きな相談だけでなく、具体的な確認項目を持っておくと話が進みやすいです。たとえば、多要素認証は有効になっているか、管理者アカウントは安全か、迷惑メール対策は十分か、OneDriveやSharePointの外部共有は適切か、といった内容です。

IT専任者がいない会社ほど、すべてを自社で抱え込まないことも大切です。社内でできる基本対策を進めながら、判断がむずかしい部分は専門会社に確認してもらうことで、無理なく安全なMicrosoft 365環境を整えやすくなります。

まとめ:Microsoft 365 セキュリティは設定してこそ効果を発揮する

Microsoft 365には、会社の情報を守るためのセキュリティ機能が多く用意されています。多要素認証、迷惑メール対策、フィッシング対策、添付ファイルやURLの保護、条件付きアクセス、OneDriveやSharePointの共有管理、データ損失防止、管理者アカウントの保護など、活用できる対策はたくさんあります。

ただし、Microsoft 365を契約しているだけで、すべてのセキュリティ対策が自動的に整うわけではありません。大切なのは、自社の使い方に合わせて必要な機能を確認し、正しく設定することです。

特に中小企業では、IT専任者がいないままMicrosoft 365を使っているケースも少なくありません。その場合でも、まずは多要素認証、メールセキュリティ、ファイル共有、管理者アカウントの4つを見直すだけで、リスクを大きく下げやすくなります。

Microsoft 365のセキュリティ機能は中小企業にも有効

Microsoft 365のセキュリティ機能は、大企業だけのものではありません。中小企業にとっても、アカウント乗っ取りや情報もれ、フィッシングメールへの対策は重要です。

むしろ、IT担当者が少ない会社ほど、基本的な設定を整えておく必要があります。なぜなら、ひとたびセキュリティ事故が起きると、原因調査、取引先への説明、パスワード変更、メール確認、データ復旧などに多くの時間を取られるからです。

日常業務を止めないためにも、事故が起きてから対応するのではなく、事前に守る仕組みを作っておくことが大切です。Microsoft 365のセキュリティ機能を活用すれば、現在の業務環境を大きく変えなくても、できる対策から始められます。

まずは7つの基本対策から始める

Microsoft 365のセキュリティ対策で、最初に確認したいのは次の7つです。

多要素認証でアカウントを守ること、迷惑メールやフィッシングメールへの対策を強化すること、添付ファイルやURLの安全性を確認すること、条件付きアクセスで危険なログインを制限すること、OneDriveやSharePointの共有設定を見直すこと、データ損失防止で情報もれを防ぐこと、そして管理者アカウントを厳重に保護することです。

これらをすべて一度に完璧にする必要はありません。まずは管理者アカウントの多要素認証を有効にし、次に全社員のログイン対策、メール対策、共有設定の確認へと進めるのが現実的です。

大切なのは、「何となく使っている状態」から抜け出し、どの設定で何を守るのかを理解することです。守るべき情報と、発生しやすいリスクを整理すれば、自社に必要な対策の優先順位が見えてきます。

自社だけで判断がむずかしい場合は外部相談も検討する

Microsoft 365の管理画面には多くの設定項目があります。そのため、IT専任者がいない会社では、どこを確認すればよいのか分からないこともあります。

そのような場合は、自社だけで悩まず、Microsoft 365の設定やセキュリティに詳しい専門会社へ相談するのも有効です。特に、現在の設定が安全かどうか、管理者アカウントに問題がないか、メールセキュリティが十分か、外部共有が広がりすぎていないかは、早めに確認しておきたいポイントです。

Microsoft 365は、正しく設定すれば中小企業にとって強力なセキュリティ基盤になります。まずは基本対策から始め、自社の状況に合わせて少しずつ改善していくことで、安全にクラウドを活用できる環境を整えられます。

Microsoft 365 セキュリティに関するよくある質問

Microsoft 365のセキュリティについて調べていると、「どこまで標準で守られるのか」「多要素認証だけで十分なのか」「専門会社に相談すべきなのか」など、さまざまな疑問が出てきます。

ここでは、中小企業の管理担当者や経営者からよく出やすい質問を整理します。

Q
Microsoft 365を使っていればセキュリティ対策は十分ですか?
A
Microsoft 365には多くのセキュリティ機能がありますが、使っているだけで十分とはいえません。多要素認証、メール保護、外部共有の制限、管理者アカウントの保護などを、自社の使い方に合わせて設定する必要があります。特に、初期設定のまま使っている場合は、必要な保護が十分に有効になっていないことがあります。
Q
多要素認証だけ設定すれば安全ですか?
A
多要素認証はとても重要な対策ですが、それだけですべてのリスクを防げるわけではありません。アカウント乗っ取り対策としては強力ですが、迷惑メール、危険な添付ファイル、社外共有による情報もれなどには別の対策も必要です。
Q
IT担当者がいなくても設定できますか?
A
基本的な設定であれば、管理画面から対応できるものもあります。ただし、設定内容を理解しないまま変更すると、社員がログインできなくなったり、取引先とのファイル共有ができなくなったりする可能性があります。不安がある場合は、専門会社に現在の設定を確認してもらうと安全です。
Q
Microsoft 365のセキュリティ設定は一度すれば終わりですか?
A
一度設定して終わりではありません。社員の入退社、働き方の変化、新しいサービスの利用、取引先との共有方法の変化に合わせて、設定を見直す必要があります。定期的に確認することで、セキュリティ対策を形だけで終わらせず、実際に会社を守る仕組みにできます。

Microsoft 365のセキュリティ設定に不安がある場合は確認から始めましょう

Microsoft 365は、正しく設定すれば中小企業にとって非常に心強いセキュリティ基盤になります。メール、ファイル共有、Teams、OneDrive、SharePointなど、日々の業務で使う情報をひとつの環境で管理できるため、セキュリティ対策もまとめて考えやすくなります。

一方で、設定項目が多いため、どこを確認すればよいか分からないまま使い続けている会社も少なくありません。多要素認証が有効になっていない、管理者アカウントがそのまま使われている、外部共有が広がりすぎている、退職者アカウントが残っているといった状態は、早めに見直したいポイントです。

まずは、自社のMicrosoft 365で次のような点を確認してみてください。

  • 多要素認証が有効になっているか
  • 管理者アカウントが適切に保護されているか
  • 迷惑メールやフィッシングメールへの対策ができているか
  • OneDriveやSharePointの外部共有が適切か
  • 退職者アカウントが残っていないか

これらを確認するだけでも、自社のセキュリティ状態を把握しやすくなります。

Microsoft 365のセキュリティ対策は、むずかしい専門用語を覚えることが目的ではありません。大切なのは、会社の情報を守り、社員が安心して仕事ができる状態を作ることです。

自社だけで判断がむずかしい場合は、現在の設定状況を専門会社に確認してもらい、必要な対策から順番に進めるとよいでしょう。

まずは「今の設定で本当に安全なのか」を確認することが、Microsoft 365を安全に活用する第一歩です。

Microsoft 365のセキュリティ設定を見直したい方へ

Microsoft 365は、正しく設定すれば中小企業の情報を守る強力な基盤になります。一方で、初期設定のまま使っていると、多要素認証、外部共有、管理者アカウント、メール対策などに見落としが残ることがあります。

まずは現在の設定を確認し、自社に必要な対策を優先順位づけすることから始めましょう。無理にすべてを変える必要はありません。リスクの高い部分から順番に整えることが大切です。

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